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外食・中食 調査レポート

20代のアルコール市場 ~本当に若者のアルコール離れは進んでいるのか?~

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【東京、2013年10月24日】 9月23日、「居酒屋チェーン各社が少子高齢化やアルコール離れなどで苦戦」との記事が日経流通新聞に掲載された。それを裏付けるように、エヌピーディー・ジャパン㈱が提供する外食・中食市場情報サービス『CREST*1』をみると、2008年に3割だった20代の居酒屋利用率が12年には2割に低下したことがわかった。

今回のレポートでは、この苦戦する20代の外食アルコール市場(18時~深夜5時)における詳細な食シーンのトレンドを探った。

 

20代のアルコール出現率*2の下げ幅は大きい

まず、外食におけるアルコールメニューの出現率*2を年代別にみてみる。

図表1は外食における直近5年(2007年9月~2013年8月)の年代別アルコールメニューの出現率である。全体では-6ポイント減少し、特に20代に注目すると-9.1ポイント減と、各年代の中で最も下げ幅が大きいことがわかる。

【図表1】 外食市場 年代別アルコール出現率推移(%)

(2007年9月-2013年8月)

131024-1

※食事を始めた時間を「18時~深夜5時まで」とした場合

エヌピーディー・ジャパン㈱ JapanCREST® より

「仕事の取引先と」の食機会数は低減

では、アルコールメニューの出現率が最も減少した20代は、どのような機会にアルコールを飲んでいるのか。

20代のグループタイプ別でみると、「同僚/仕事の取引先と」の機会が最も多く、直近1年では57.4%であった。

5年前からの推移に注目すると、どのグループタイプも出現率は低下しているが(図表2)、その内訳をみると、「友人と」や「配偶者/恋人と」の機会は全体に比べて下げ幅は少ないものの、「同僚/仕事の取引先と」の機会は-3.3ポイント減となり、他のグループタイプと比べても大幅に減少している。

 【図表2】 外食市場 20代グループタイプ別

    アルコール出現率(%)

(2007年9月-2013年8月)

131024-2

※食事を始めた時間を「18時~深夜5時まで」とした場合

 エヌピーディー・ジャパン㈱ JapanCREST® より

 

ビールの苦戦が続く中、日本酒・ワインなどが健闘

それでは、アルコールの食機会が低減する20代におけるアルコールメニューのトレンドはどうだろう。

グループタイプ別にアルコールメニューの出現率推移をみると、全てのメニューにおいて出現率は低下している(図表3)。 中でも、「ビール」「焼酎」「カクテル」は直近5年で毎年低下し続けており、特に「ビール」は5年前と比べて-7.6ポイントと最も下げ幅が大きい。

 

【図表3】20代外食市場 アルコールメニューの出現率(%)

(2007年9月~2013年8月)

131024-3

※食事を始めた時間を「18時~深夜5時まで」とした場合

エヌピーディー・ジャパン㈱ JapanCREST® より

図表2でアルコール出現率が最も高かった「同僚/仕事の取引先と」に焦点をあてると、ここでもビールは5年前比で-5.5ポイントと最も落ち込んだ。その一方で出現率が伸びたのは「日本酒(+2.6ポイント)」「カクテル(+0.7ポイント)」で、特にカクテルは過去3年増加傾向であった。

一方で、20代が「友人と」飲む機会には何が好まれるのだろうか。出現率の伸びが目立ったのは「ワイン(5年前比+2.2)」で、ここ2年で増加傾向であることがわかった。

以上のように、20代におけるアルコールの食機会は確かに減少している。しかしその中でも外食シーンを詳細に分析してみると、仕事上の機会では「日本酒」「カクテル」が、友人との機会では「ワイン」が以前よりも好まれる傾向であることがわかった。ターゲットや食シーンに注目し、消費者のトレンドに合わせたドリンクメニューの提案によって若者のニーズを刺激することができるかもしれない。

*1 CREST とは

外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1 年365 日、直接消費者から収集し、年間13 万を超えるサンプル数を元に調査分析できる情報サービスです。(海外各国版もご用意)
詳細は http://www.npdjapan.com/service/food.html 

*2 出現率とは

外食が100回されたとしたとき、何回そのメニューが注文されたかを示す出現割合