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外食・中食 調査レポート

外食・アルコール市場 ~伸びる“ちょい飲み”需要のドライバーは?~

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【東京、2014年7月31日】 6月29日、居酒屋大手のワタミが上場以来初の赤字に転落し、居酒屋の1割にあたる60店を閉店すると発表した。同社創業者の渡邊氏は居酒屋事業の不振の原因について「お酒を習慣的に飲む人の減少や、『チェーン店の安心感』が強みにならなくなったため」とコメントしている。

今回のレポートでは、外食でお酒が飲まれる機会についてエヌピーディー・ジャパン(株)が提供する外食・中食市場情報サービス『CREST*1』から探ってみる。

 

居酒屋業態の食機会数*2は減少傾向

まず2013年における外食市場の食機会数の伸び率(2009年比)をみてみる(図表1)。

【図表1】 2013年 外食市場 業態別 食機会数の伸び率
(2009年比、食機会ベース、%)

1407-01

外食全体の伸び率は+2.1%と増加。なかでもファミレス業態は+7.9%増と全体以上に伸び率が高く好調の一方で、居酒屋業態は-11.2%と大きく減少している。さらにアルコールが飲まれる食機会に絞ると、外食全体では-10.1%減、居酒屋業態は-13.3%減とその伸び率はさらに減少している。

外食でアルコールが飲まれる食機会が減少する中、居酒屋業態ではその傾向がさらに顕著で、消費者の食機会を増やすことに苦戦している様子がうかがえる。

 

14-17時台の”ちょい飲み*3”が伸びている

では、減少するアルコールが飲まれる食機会について、喫食シーン別にみるとどうだろう。図表2は外食でアルコールが飲まれる食機会における、滞在時間・時間帯の食機会数の伸び率を分析したグラフである(図表2)。

【図表2】2013年外食・アルコールが飲まれる機会の滞在時間・時間帯別  食機会数の伸び率
  (2009比、食機会ベース、%)

1407-02

時間帯別にみると、外食全体では11-13時台の伸び率が最も高い。一方アルコールが飲まれる機会に注目すると、14-17時台が5年前から唯一プラス成長(+1.1%)しており、さらに滞在時間60分以下に絞るとその傾向が強くなる(+1.4%)。

5年前と比べて全体のアルコールが飲まれる食機会数が減少するなかで、時間帯と滞在時間に注目すると、唯一14-17時台の“ちょい飲み”の食機会数が伸びているといえよう。

 

”ちょい飲み”は「一人で」「配偶者・恋人と」

外食で14-17時台の”ちょい飲み”が増えていることが分かった。では消費者は、どこで、誰と”ちょい飲み”しているのだろうか。

図表3は2013年の外食でアルコールが飲まれる食機会における “ちょい飲み”の業態シェア(上位10業態)である。

【図表3】 外食・アルコールが飲まれる食機会 滞在時間60分以下の業態シェア(上位10業態)
 (2013年、食機会ベース、%)

1407-03

“ちょい飲み”の業態シェアで最も大きいのは和風居酒屋で、続いてラーメン・ぎょうざ店が好まれている。さらに5位の洋風FRは上位業態の中で5年前から最もシェアを伸ばしている業態であった。

また“ちょい飲み”するグループタイプを分析すると、「友人と」や「同僚」よりも、「1人で」「配偶者・恋人と」のシェアが圧倒的に高く、その食機会数も伸びていることは興味深い(特典データ)。

 

消費者が外食でお酒を飲む機会は減少傾向だが、その飲み方も変わりつつあるようだ。

居酒屋各社が減少する食機会数を取り戻すためには、食機会数が伸びている「14-17時台で、滞在時間60分以下のアルコールを飲む機会」における、「一人で、または配偶者・恋人と」をターゲットとする“ちょい飲み”需要を掴むことが一つのキーとなりそうだ。

 

また、お酒を飲む機会の中で伸びる14-17時台の需要を取り込むためには、「一人」や「恋人・配偶者」とご飯を食べながらサクッと飲める店舗環境や、ターゲット層に合わせたメニュー戦略がポイントとなるだろう。

 

今月11日大手牛丼チェーン吉野家が、夕方からお酒やつまみを提供する“よし呑み”をスタートすると発表したことは記憶に新しい。暑さの厳しいこの季節に、居酒屋業態だけでなく外食全業態で、いかに消費者の喉の渇きを潤せるかに注目が集まりそうである。

 

 

*1 CREST とは

外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1 年365 日、直接消費者から収集し、年間13 万を超えるサンプル数を元に調査分析できる情報サービスです。(海外各国版もご用意)
詳細は http://www.npdjapan.com/service/food.html 

*2 食機会数とは

外食・中食を利用した延べ食機会(朝/昼/夕/間食)数

*3 ちょい飲みとは

本記事では”ちょい飲み”を、14-17時台の時間帯で、店舗滞在時間が60分以内の食機会と定義しています。