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全面禁煙は客を失う?客を増やすチャンス?

2019/12/25

フードサービス シニアアナリストの東(あずま)さやかです。

 

すかいらーくグループが、全店敷地内も全面禁煙に踏み切ったのが9月。
他のファミレス、レストランも2020年4月に施行される改正健康増進法に先駆けて、禁煙化の動きが加速しています。全面禁煙化によって顧客を失ってしまうと思い、実施後の影響に戦々恐々としている企業は多いことでしょう。

全面禁煙にするとその影響で客数は減ってしまうのでしょうか?ファミレスを例にデータを見てみましょう。エヌピーディー・ジャパンが提供する外食・中食市場情報サービス『CREST®』より、外食・中食時の店舗選択理由を分析すると興味深い結果となりました。
2019年8-10月に「喫煙できるから」という理由でその店を選んだ食機会数(客数)は外食中食全体で、約7千万回で前年同期比で9%増えています。喫煙場所が限られてきて、喫煙者は喫煙できるところを意識して探すようになったようです。ファミリーレストランは、そのうち7%を占めますが、前年同期と比べ比率で4ポイント、客数で約200万人ほど減らしました。

一方で、「禁煙席がある、全面禁煙だから」という理由で店を選ぶ客数は約6.6千万回で19%も増えています。ファミリーレストランはそのうち20%を占め、前年同期と比べ4ポイント、客数で約400万人以上増えていますので、全面禁煙化によって、減らした客数より増えた客数が2倍以上多いと考えられます。全面禁煙化は一時的にこれまでの客を失うかもしれませんが、長い目で見れば英断となる可能性も高いと言えるでしょう。

「店舗選択理由から見る禁煙化の影響」データグラフ ダウンロード

 

*CRESTとは・・・外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1年365日、直接消費者から収集し、年間13万を超えるサンプル数を元に調査分析できる情報サービスです。外食市場規模、中食市場規模、客数を業態、セグメント別に把握可能です。
(世界13ヶ国で実施)
詳細URL: https://www.npdjapan.com/service/food.html