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居酒屋の回復のカギは、利用頻度

2021/01/15

フードサービス シニアアナリストの東(あずま)さやかです。

コロナの影響で深刻な影響を受けている居酒屋業態。
回復のカギを探りたいと思います。

エヌピーディー・ジャパンが提供する外食レシートデータ『フードサービスレシートトラッカー』で居酒屋の利用状況を見てみると、日本全国15-59才で和風居酒屋主要56チェーンを1回でも利用した人の比率(利用率)は、コロナの影響で最も客数が減少した2020年4-6月に3.8%で前年同期の7.2%と比べ大きく減少しました。2020年8-10月には、利用率は5.9%まで回復しました。レシート単価も大きく下がっています。

興味深いことに、利用頻度(56チェーンを1回でも利用した人の56チェーン計の平均利用回数)は、2020年4-6月1.62回に対し、2019年4-6月1.43回、2020年8-10月1.49回に対し、2019年8-10月1.43回となっており、4-6月期も8-10月期も2019年より2020年の方が高いことです。

外食・中食市場情報サービス『CREST®』で、2020年8-10月の和風居酒屋の店舗選択理由を前年同期と比較してみると、「便利な立地」や「同伴者が決めた」という理由で選ばれる比率が減少し、「食べ物がおいしいから」「いつも行くから」「店を気に入っているから」という理由で選ぶ比率が大きく伸びています。ニューノーマルでは、他の人に誘われてたまたまあった店に行くというよりは、おいしいものが食べられる気に入った店に、安心してよく行くようになっている状況がうかがえます。リピーターを獲得して、大事にし、一回の客単価は低くとも、何度も来てもらうことが、ニューノーマルでの居酒屋回復のヒントになると言えるでしょう。