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<外食・中食 調査レポート>テイクアウトの事前注文、2018-19年の利用率

2019/07/22

外食・中食市場情報サービス『CREST®*1 』を提供するエヌピーディー・ジャパン株式会社(東京都港区、トーマス・リンチ代表)は、外食産業におけるテイクアウト事前注文についての動向分析レポートを2019年7月22日に公表します。

 

本分析レポートでは、大きく以下のことが分かります。ファストフード、カフェ、ベーカリーで2018年1月~2019年3月におけるテイクアウト利用時の、インターネットやアプリからの事前注文比率は、1%未満でした。また、事前注文利用時のアプリが広告として効果があること、食べ物の品ぞろえの豊富さが来店動機となることが分かりました。課題として、再利用意向が低いことも明らかになりました。


 

テイクアウト事前注文利用率は1%未満

2018年1月~2019年3月におけるファストフード、カフェ、ベーカリーのテイクアウト利用時、インターネットやアプリからの事前注文比率は、全国計で0.8%でした(図表1)。事前注文を利用できる店舗が多いと考えられる首都圏においても、0.9%で1%未満でした。

 

 

事前注文アプリは広告として機能

テイクアウトのアプリ/ネットからの事前注文利用時の店舗選択理由をみると(図表2)、通常のテイクアウトの場合と比べ、「宣伝をみていきたくなったから」が15倍も比率が高く、2番目の利用動機となっていることが分かりました。便利な立地での選択比率が低いことから、事前注文アプリは、新規客を呼ぶ広告として機能し、悪立地条件に負けない集客に役立っていることが推測できます。また、「食べ物の種類が豊富だから」の比率も通常時の比率より倍以上高く、アプリ内で選ばれるには、品揃えの豊富さがポイントとなることも分かりました。

 

 

 

再利用意向が低いことが課題に

課題も浮き彫りとなりました。テイクアウト利用時の店舗再利用意向をみると(図表3)、アプリ/ネットからの事前注文利用時の再利用意向(絶対また行く+多分また行くの計)は66%で、その他の場合の同85%と比べ、19ポイントも低いことが分かりました。

 

 

せっかく、悪立地を乗り越え、新規顧客に来店してもらったにもかかわらず、再利用意向が低いことで、今後の利用率成長に影響を与える可能性が高いです。今後の課題は、来店体験の満足度を高め、また利用したいと思えるサービスを提供することにあるでしょう。軽減税率を伴う消費増税は、テイクアウト、キャッシュレス決済の利用を拡大させるでしょう。人手不足に対応し、迅速なサービスで顧客に新しい体験をしてもらうため、新たな集客ルートを確保するには、テイクアウト事前注文アプリは一定の効果があると考えられ、導入検討に値すると言えるでしょう。


*1   CREST®

外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1年365日、直接消費者から収集し、年間13万を超えるサンプル数を元に調査分析できる情報サービスです。外食市場規模、中食市場規模、客数を業態、セグメント別に把握可能です。
詳細URL: https://www.npdjapan.com/service/food.html

 


 

 

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