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<外食・中食 調査レポート>2022年6月、外食・中食売上は2019年同月比10.2%減、さらなる 回復とはならず、出前(デリバリー)は同88%増

2022/08/09

外食・中食市場情報サービス『CREST®*1 』を提供するエヌピーディー・ジャパン株式会社(東京都港区、クリストス・クリストフォロー代表)は、外食・中食市場2022年6月の動向分析レポートを2022年8月9日に公表します。

本分析レポートでは、大きく以下のことが分かります。コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2022年6月の外食・中食市場は、2019年6月比で売上が10.2%減で、さらなる回復とはなりませんでした。全業態計イートイン売上は6月に同24.2%減で、前月比2.2ポイント減でした。出前は、6月の売上が2019年同月比で88%増とプラス成長が続いているものの、前年同月より下回りました。


 

外食・中食市場の2022年6月は、売上10.2%減(2019年同月比)

外食・中食市場全体の2022年6月の2019年同月比(図表1)をみると、売上(金額市場規模)が10.2%減、客数(食機会数)が9.6%減でした。感染拡大による影響のピークは、2020年4月で市場規模前年同月比41.9%減でした。2020年10月に9%減まで回復したものの、その後2021年1月に2回目、4月に3回目、7月に4回目の緊急事態宣言で20-39%減の状態が続きました。2021年9月末に緊急事態宣言が解除、12月には10.7%減まで回復しました。2022年になると、オミクロン株感染が急拡大し、まん延防止等重点措置(以下、まん防)が適用され、2月は21.5%減まで落ち込みました。3月に全地域でまん防が解除され、さらに3年ぶりに規制のない大型連休で始まった5月は同7.7%減と、回復基調が続いていました。6月は祝日もなく、月末より感染者が増え始め、生活全般に関わる値上げの影響が出始めたこともあり同10.2%減と、やや後退しました。

 

全業態計イートインは24.2%減で、前月より2.2ポイント減

業態別・利用形態別の6月の売上2019年同月比をみると(図表2)、外食・中食全体のイートインは24.2%減で、前月22.0減より2.2ポイント減でした。業態別では、居酒屋+バーがコロナ前と比べて厳しい状況が続いているものの、同45%減で前月より6ポイント回復。その一方で、ファミレスでは同28%減と前月比4ポイント減でした。テイクアウト・出前は、引き続きFF+セルフカフェが好調で同36%増、ファミレスでは同77%増でした。

 

出前(デリバリー)は88%増でプラス成長が続くものの、前年同月より減

外食業態計(レストラン計)の出前(デリバリー)売上2019年同月比をみると(図表3)、プラス成長が続いています。デリバリー増加のピークは2020年5月の204%増ですが、その後も2ケタ増が続き、特に2021年2月(133%増)、同5月(158%増)、同7月(182%増、2022年は、2月(152%増)、5月(124%増)が特に大きく伸びました。6月は、同88%増とプラス成長だったものの、前月同様に、2020年、2021年の同月と比べて下回っており、これまでの爆発的な成長から、穏やかな成長になりつつあります。

 

エヌピーディー・ジャパン フードサービスシニアアナリストである、東さやか(あずま・さやか)は、今後の展望について、次のように話します。「6月下旬からの感染再拡大で、夏休み需要にブレーキがかかり、回復はやや後退が見込まれます。しかしながら、重症者は少ないことから、会社員の行動は回復が続くと見込まれます。今後は、会社員の平日需要、休日の家族需要の取込みが重要だと考えられます。また、コロナ禍で変化した消費者行動は、コロナ前に戻るということは考えにくく、今後もテイクアウト増加のトレンドは継続される一方で、夜の需要は戻りが鈍いことが見込まれます。爆発的な成長を続けてきたデリバリーは、市場再編もすすみ、今後は穏やかな成長、定着へ移行すると考えられます。」

 


*1   CREST®

外食・中食市場において 「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1年365日、消費者から収集し、年間13万を超えるサンプル数を元に分析できる情報サービスです。外食市場規模、中食市場規模、客数を業態、セグメント別に把握可能です。世界13か国で実施。
詳細URL: https://www.npdjapan.com/service/food.html


 

 

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