ニュースレターNewsletter

<スポーツシューズ・アパレル市場 調査レポート>2023年の見通し、世界のシューズ・アパレル市場、新たな価値提案、多機能アイテムに商機

2023/02/14

スポーツシューズ・アパレル市場情報サービス『Japan Sports Tracker*1』を提供するエヌピーディー・ジャパン株式会社(東京都港区、クリストス・クリストフォロー代表)は、2023年の世界の小売業の見通しに関する分析レポートを2023年2月14日に公表します。

本分析レポートでは大きく以下のことが分かります。2023年、小売業界に必要なことはニューノーマルへのパラダイムシフト(価値の変化)です。アパレル業界では、消費者の支出後退の中で、新たな価値提案で購入動機を作ることが重要です。フットウェアは、市場の変化に合わせて、複数のシーンで使える多機能アイテムに商機がありそうです。


 

2023年、小売業に必要なのは、ニューノーマルへのパラダイムシフト(価値の変化)

The NPD Groupは、2023年の小売業の見通しについて、専門家の見解を2023年1月にまとめました。コロナ禍で浸透した消費行動、急速に押し寄せた物価上昇による個人消費の低迷などから、2023年は、3年前には「当たり前だった価値」を新たに再定義、再調整し、ポジションを見直す必要があります。生活費が上昇する中、どのように消費者が商品を購買するか、消費者のトレンドを注意深くみることが成功の秘訣となります。

米国の小売価格はやや安定し、燃料価格は昨年の高騰から落ち着きを見せていますが、食品と比べた場合の一般商材消費の優先順位は慎重にみていく必要があります。The NPD Groupの消費財・小売カテゴリーの責任者であるDon Unserは、次のように話します。「現在の消費者の意識としては、”不況に立たされている状態”か、”これから不況へ入る準備”のいずれかにあります。不況を目の前に気の赴くままに商品を購入出来ずにいる状態です。これまでもそうですが、この先も、人は一般消費財よりもサービスや食品を購入する方を優先するでしょう。」

また、今年最も注目すべきことの一つが「雇用」です。小売業ではすでに雇用を減らし始めており、小売業界の収益は2022年より下方修正されることは明らかです。小売カテゴリーのチーフアドバイザーである Marshal Cohen は、次のように話します。「成長の観点から見ると、今年はより厳しい年になるでしょう。多くのビジネスリーダーは販売量を増やすよりも、利益を最大化することに重点を置くでしょう。小売企業もメーカーも、プロダクトイノベーションの停滞と、販促の方法・時期・量のパラダイムシフト(価値の変化)に対応していく必要があります。」

小売業とメーカーは、2023年は、これまでの古くて実用的でない基準やモデルが刷新、または排除され、ニューノーマルへ向かうことを見据える必要があります。

 

アパレルは、新たな価値提案で購入動機を作る

The NPD GroupのアパレルカテゴリーのアナリストであるKristen Classi-Zummoは、2023年の見通しを次のように話します。「食料品、その他の必需品のインフレが続くと、消費者はアパレルへの出費を抑えるようになるでしょう。インフレの冷え込みに加え、雇用が不安定です。一部の企業では解雇が行われ、全体として支出が後退することが予想されます。今年は行事やイベントのために新たな洋服を奮発するという機会は減ってしまうかもしれませんが、小物でも客単価を向上させることは可能です。例えば、昨シーズンの売上の高かったワンピースにカーディガンやベルトを組み合わせて提案することで、アイテムの使用機会増やします。現在の市場シェアを維持するためには、新たな価値提案が必要になります。消費には慎重な消費者にも購入の動機になるでしょう。」

 

フットウェアは、カジュアルでありながらフォーマル対応可能な多機能アイテムに商機

The NPD GroupのフットウェアカテゴリーアナリストであるBeth Goldstein は次のように話します。「過去3年、カテゴリー、チャネル、ブランドにおいて売上に波がありましたが、人々はパンデミック後のライフスタイルに落ち着き、“必要不可欠なアイテム”、“あった方が良いアイテム”の分別をするようになるでしょう。昨年2022年は職場や社交の機会が復活したことで、フォーマルの需要が復活しました。2023年にはカジュアルでありながらも、フォーマルにも対応できるような多機能アイテムに需要があるでしょう。また、アスレジャースタイルは引き続き重要ですが、苦しい状況が続くでしょう。主要ブランドにおいて、カジュアルファッションとアスレチック機能、両方を持ち合わせている製品はどちらも同じ用途であるがゆえに市場が変化しているからです。フットウエアのオンラインでの購入率は、2021 年と同様に 2022 年の売上高の 40% に落ちき、パンデミック前よりも 10 ポイント高くなっています。これが 2023 年に大きく変わることはないと予想されます。」

 


*1  Japan Sports Tracker

スポーツシューズ・アパレル市場における全国の消費者購買行動を時系列で把握できる日本で唯一の消費者パネルデータベースです。市場のトレンドやビジネスチャンスを特定し売上を伸ばすために必要な、製品トレンドと消費者動向について包括的な情報が得られます。カテゴリー、ブランド、アイテムレベルで自社製品、競合他社製品のパフォーマンスを分析できます。
詳細URL: https://www.npdjapan.com/solutions/sports/

 


 

The NPD Groupについて

The NPD Groupはデータ、業界の専門知識、コンサルティングの提供により、クライアントが現在のマーケット状況を理解し、将来に備えられるようサポートするグローバルなデータプロバイダーです。世界中の2000社以上の企業が、実店舗取引、E-コマース取引、B2B(企業間取引)など、あらゆる購買チャネルのパフォーマンスを測定、予測、および向上させるために当社を利用しています。世界19カ国でサービスを実施し、アメリカ、ヨーロッパ、およびAPAC(アジア太平洋)でビジネスを展開しています。事業分野は、アパレル、家電、自動車、美容、書籍、B2B電子機器、消費者向け電子機器、E-コマース、ファッションアクセサリー、フードサービス、スポーツシューズ、ホーム用品、インテリア、キッズ製品、メディア・エンターテインメント、携帯電話、事務用品、小売、スポーツ用品、玩具、およびビデオゲームをカバーしています。詳細情報についてはnpd.com、またはTwitterアカウント「@npdgroup」をご覧ください。

 


 

調査データの転載について

本件で公開されている資料につきましては、ご使用用途によりますが、出典元を明記していただければ、基本的にご利用いただけます。
表記は「NPD Japan, エヌピーディー・ジャパン調べ」でお願いいたします。
ご使用前には必ず下記の問い合わせ先までご一報ください。

過去のレポートは、下記ページの「プレスリリース」よりご覧いただけます。
https://www.npdjapan.com/press-releases/press-releases-list/sports/

 

お問い合わせ先

本内容につきましては、下記よりお問い合わせください。

inquiry